子どもたちが「なぜ?」「どうして?」と思うこと。
それは世の中にたくさんあります。
心も体も成長し、大人になるにつれてその疑問や問題は大きくなり、解決もどんどん難しくなっていきます。
そして、その疑問や問題は、答えのないものが多くなっていきます。
そんな答えのない問題に親子で向き合い、自分の考えを広げてみませんか?
この記事では、『答えのない道徳の問題どう解く?正解のない時代を生きるキミへ』を紹介します。
本を通して親子でじっくり考え、話し合い、互いの思いを伝え合ってください。
・子どもの思いをじっくり聞ける本を知りたい
・親子で一つの問題に向き合い、お互いの考えを伝え合いたい
・子どもの考えを広げ、深めるきっかけになる本を読みたい
『答えのない道徳の問題 どう解く? 正解のない時代を生きるキミへ』
この本は、2018年に発行された『答えのない道徳の問題 どう解く?』の第2弾として発行されました。
世の中には、答えのある問題と、答えがない問題があります。
例えば、算数の問題。
1+1という問題には、「2」という決まった答えがありますよね。
では、こんな問題は?
正義のヒーローは、どうして悪者を殴っていいんだろう?
あなたなら、そしてあなたのお子さんなら、どう答えるでしょう?
「正義のヒーローは特別だから」
「悪を倒すためなら殴ってもいいから」
「アニメや漫画の世界なら許されるから」
…など、さまざまな答えが考えられます。
そう、この問題に対する答えは、人ぞれぞれ。
もしかしたら親子で違う答えが出るかもしれません。
つまり、この問題には決まった答えがないのです。
この本では、このように答えのない問題が全部で13問あげられています。
答えのない問題について考えるということ。
それは、外の世界に目を向けること。
どうしてだろう?なんでだろう?と考えることが
新しい価値観や視野を広げるきっかけになればと思います。
【『答えのない道徳の問題』表紙カバーより引用】
こちらは第1弾の紹介動画です。
問題に対する考え方は十人十色。
なぜなら、答えがないからです。
だからこそ、子どもたちは一生懸命考えて、自分なりの答えを導き出すことができるのです。
では、この本では具体的にどんな問題があげられているのでしょうか。
答えのない問題
ここからは、実際に本で紹介されている問題を一部紹介します。
試しに一度、お子さんと一緒に考えてみてください。
できる、どう解く?
得意なことをのばすのと、苦手なことをなくすのは、どっちが大切なんだろう?
「好きなことを目一杯して、どんどん力をのばしなさい」
「苦手なことから逃げずに、少しでもなくせるように頑張りなさい」
これ、どちらも言ったことがあるという方もおられるのではないでしょうか?
では、いったいどちらが大切なのでしょう?
今までの自分は、どちらを大切にして過ごしてきましたか?
自分の子どもには、どちらを大切にして過ごしてほしいですか?
ねっちゅう、どう解く?
勉強をずっとしても怒られないのに、どうしてゲームをずっとしてると、怒られるんだろう?
「たしかに…」と思った方もおられるのではないでしょうか?
もしかしたら子どもたちは日頃から「なんで?」と思っているかもしれませんね。
もしお子さんにこんな質問をされたら、あなたなら何と答えますか?
勉強もゲームもどちらも同じように熱中しているだけなのに…。
ゲームのほかにもスマホやパソコン、マンガ、テレビなども当てはまるかもしれませんね。
ガマン、どう解く?
つらいとき、ガマンするのとガマンしないのは、どっちがいいんだろう?
「つらくても泣くな!逃げるな!ガマンしなさい!」
「つらいときはガマンしなくていい。逃げてもいいんだよ。」
どちらもお子さんに言ったことがあるという方、いませんか?
大人の私たちでも、「ガマンするんだ!」と踏ん張るときと、「もうだめだ」と逃げちゃうときがありますよね。
子どもたちはどう考えて、どう行動すればよいのでしょう?
答えに困ったら
問題の一例を紹介しましたが、どれも難しい問題ばかりですよね。
だからこそ、じっくり悩んで、考えて、自分の答えを出してほしいのです。
とはいえ、親子で考えてみても「う~ん」と悩んでしまったり、答えが出なかったりすることもあると思います。
そんなときもご安心ください。
この本には「考えるためのヒント」として、さまざまな人たちの考えが書かれています。
小学生、中学生、そして俳優、芸人、タレント、キャスターなど、年齢も職業もさまざまな人たちの考えが紹介されています。
その中には、自分たちでは思いつかなかったような考えもあるかもしれません。
「なるほど!」と思うものもあれば、「それはない」と思うものもあるかもしれません。
そうやってたくさんの考えがあることを知り、そのうえでもう一度自分の考えを見つめ直してみてください。
まとめ
『答えのない道徳の問題 どう解く? 正解のない時代を生きるキミへ』を紹介しました。
たくさんの人たちが出した答えを見聞きし、どんどん自分の考えを深めて、広げていきたいですね。
もし、悩んで答えが出せなくても大丈夫。
その問題に向き合い、考えることが何より大切な時間です。
いっぱい悩んで、考えて、それでも答えが出ないことが「答え」なのです。
この本を読んで、親子でたくさん話して、たくさん悩んで、たくさん考えてみてください。
一生懸命考えたお子さんの思いを大切にしてあげてくださいね。
〇●今回紹介した絵本●〇
◆『答えのない道徳の問題 どう解く? 正解のない時代を生きるキミへ』
<山﨑博司 文/木村洋・二澤平治仁 絵/ポプラ社 刊>
第1弾『答えのない道徳の問題どう解く?』はこちらです。
第2弾と合わせて、ぜひチェックしてみてください。
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