「経済について学んでほしい」
「ものづくりや販売の流れに興味をもってほしい」
お子さんが小学校高学年となると、こんな思いをもつ親御さんもおられるのではないでしょうか。
でも内容が難しそうで、子どもたちに興味をもってもらうのも大変ですよね。
そんなときにオススメの児童書があります。
この記事では、『歯みがきつくって億万長者』という本を紹介します。
この本は夏休みの読書感想文にもおすすめの一冊です。
児童書を読んで、楽しく経済について学びましょう
このブログでは、元小学校教諭の私が考えた「本を読んだ後にこんなお話をしてみては?」という提案をお話のタネとして紹介しています。
お話のタネが芽を出して、親子の会話の花がたくさん咲きますように!
・経済について楽しく学べる本を探している
・高学年の読書感想文におすすめの本を探している
・本を読みながら考えたい、「考えるポイント」を教えてほしい
本紹介『歯みがきつくって億万長者』
この本は1997年に日本図書館協定選定図書、全国学校図書館協議会・選定図書に選ばれています。
本の裏表紙には「やさしくわかる経済の話」と書かれています。
社会科の学習や日常生活で、経済ついて学んだり関心をもち始めたりする高学年の子どもたちにぴったりな一冊です。
「こんな商品があったらいいな」
「こんなもの作ってみたいな」
など、ものづくりに興味があるお子さんにもおすすめです。
きっとこの本を読み終えたら、「自分も何か作って販売してみたい」なんて気持ちになりますよ。
あらすじ
この物語は、主人公の女の子・ケイトが、一人の少年・ルーファスと出会い、動き始めます。
ひょんなことから出会った2人。
ケイトはルーファスの持っているサドルバッグが目に入ります。
「かっこいいサドルバッグじゃない!どこで売ってるの?」
「おれがつくったんだ」
ルーファスはアイデア少年で、ひらめいたアイデアをすぐに形にできる器用さがありました。
ある日、ルーファスはお母さんに買い物を頼まれ、ケイトと一緒に買いに出かけます。
買い物リストに歯みがきがあり、買おうとしますが、その値段の高さに驚きます。
「このチューブの中に何が入ってるっていうんだよ」
「ただのペーストにペパーミントのにおいがついているだけじゃないか」
そしてルーファスは、「こんなの、おれが自分でつくってやる!」と言います。
歯みがきと値段を見て「何でできているのか」「何にそんなにお金がかかるのか」と考える視点が面白いですね。
さらに「自分でつくる」という発想が素晴らしいです。
次の日、ケイトがルーファスの家に行くと・・・
なんと、ルーファスがつくった歯みがきが完成していたのです!
その後、2人は試算した結果、「これが売れればたくさんの儲けが出る」ということに気づきます。
こうして2人は歯みがきビジネスに取りかかることになったのです。
お話のタネ ~本を読んで考えたい3つのポイント~
本を読んで「良かった」「面白かった」で終わらせるのはもったいない!
特に高学年向けの児童書となると、じっくり考えたい・自分の考えを深めたいテーマを題材にした本が増えてきます。
読書を通して自分の考えを広げ、深めていくことが大切です。
そこで、この本を読んでどんなことを考えてみると良いか。
元小学校教諭の視点から、3つのポイントを紹介します。
ポイント①
ケイトはルーファスと出会い、ものづくりや販売の楽しさに気づき、夢中になっていきます。
ルーファスと出会ったことで、これまでの日常がガラッと変化したのです。
そこで、こんなポイントで考えてみるのはいかがでしょうか。
ルーファスのような友だちと出会ったら、一緒にどんなことをしてみたいか。
一緒にものづくりを楽しむか。
ものづくりをするなら、どんなものをつくってみたいか。
ケイトたちのように、つくったものを販売することにチャレンジしてみるか。
そんなことを考えていると、「あれもいいな」「これもしたいな」とワクワクしてきますよ。
ポイント②
本を読んでものづくりや販売に興味をもったら、こんなことを考えてみましょう。
(本を参考にして)自分の好きなものはどんなふうにつくられたり宣伝されたりしているか。
今まで当たり前のように使っていたものが、いったいどのようにつくられているか考えてみましょう。
とはいえ、いきなりゼロから考えるのはなかなか難しいと思います。
そこで、本の中でケイトたちが実行していたこと(試作、試算、宣伝、事業拡大…など)に注目して、比較しながら考えてみましょう。
今まで気づかなかったことがたくさん見えてくるかもしれませんね。
ゼロから考えると、途中で何を考えれば良いかがわからなくなるかもしれません。
本の中で子どもたちがやっていたことと比較しながら考えれば、視点が明確になり、より具体的に考えることができますよ。
ポイント③
この本を読むと、きっと「自分も何かつくって商品化してみたい」という気持ちになると思います。
そうなると、自然とこんなことを考えるのではないでしょうか。
自分ならどんな商品をつくってみたいか。
自分が商品化するなら・・・と、プランを練ってみましょう。
どうやって商品をつくるか、宣伝するか、事業を大きくしていくか・・・など。
ケイトとルーファスのように、じっくり考えてくださいね。
物語の中でも、人口と売り上げを計算したり、よりよい商品になるように試行錯誤したり、事業拡大を目指したりと、さまざまなことを考えています。
それを知ることで、子どもたちはものを売ることの大変さを学ぶことができるのです。
その学びをいかして、自分でオリジナルグッズの商品化の道を考えてみましょう。
まとめ
『歯みがきつくって億万長者』を紹介しました。
小学校高学年になると、社会科の学習でものづくりや販売について学びます。
学校で学ぶだけでなく、この本を読んでより学びを深め、そこから自分の考えを広げる。
さらに「自分ならこんなふうにビジネス展開をする」というプランが立てられればバッチリ!
経済の流れに興味をもつ一歩にぴったりな一冊です。
もしかしたら、ケイトたちのようにそのプランを実現して、一躍有名人になるかも⁉
そんなことを夢見ながら本を読み進めるのも楽しいですね。
当ブログでは、この他にも高学年の読書感想文におすすめの本として、『びりっかすの神さま』という児童書も紹介しています。
また、2023年度の読書感想文・課題図書(小学校)を一挙紹介しています。
こちらもそれぞれの本の簡単なあらすじと、考察のヒントを紹介しています。
ぜひチェックしてみてください。
〇●今回紹介した本●〇
『歯みがきつくって億万長者』
<ジーン・メリル 作/岡本さゆり 訳/平野恵理子 絵/偕成社 刊>
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