子どもも大人も大好きな絵本。
「絵本や本を読む」=「物語を読む」というイメージ、ありませんか?
もちろんそれも間違いではありませんが、それだけではありません。
この記事では、ことば遊びが楽しめる本を紹介します。
本を読むと自分でも考えて遊びたくなる!
そんなワクワクする本を紹介します。
このブログでは、元小学校教諭の私が考えた「本を読んだ後にこんなお話をしてみては?」という提案をお話のタネとして紹介しています。
お話のタネが芽を出して、親子の会話の花がたくさん咲きますように!
・ことば遊びが楽しめる本が読みたい
・ことば集めや物語づくりがしたくなるような本が読みたい
・食べ物や動物の名前を使ってことば遊びができる絵本が読みたい
本紹介&お話のタネ
次は何のお店かな? 『あいうえおみせ』
あめや
いしやきいもや
うんそうや
えんとつや
おけや
これ、何の順に並んでいるかわかりますか?
そしてこの次のお店、あなたなら何屋さんにしますか?
この絵本には、「あいうえお」と「いろは」の順に、次々とお店や建物が登場します。
「たこやきや」「てんぷらや」など、身近に感じるお店はもちろん。
「あらものや」「かなものや」など、どこか懐かしさを感じるようなお店も登場します。
中には「ロボットや」や「ずかんや」など、あったら楽しいだろうなぁというお店も登場するので、見ているだけで楽しいです。
もちろん、みなさんが住んでいる街中には、絵本に登場しないお店もたくさんあると思います。
だからこそ、「こんなお店があるんだ」という新たな発見となります。
これから買い物に出かけるときに、今まで以上にお店の名前に興味をもって歩くことができそうですね。
お話のタネ
この絵本を読んで、お子さんと一緒にオリジナル「あいうえおみせ」を作ってみてはいかがですか?
実在するお店はもちろん、実際にはない理想のお店を作って楽しむのもいいですね。
1年生は学校でひらがなを学び、「あ、のつくことば」など、ことば集めをすることがあります。
この絵本を読んでいると、学校で学んだことば集めにもより興味がわきそうですね。。
また、巻末にはそれぞれのお店に並ぶ品物の絵がずらりと描かれています。
そして「ここにならんでいるものはどこのおみせにあるでしょう。ゆっくりさがしてください。」というお楽しみがあるところもおすすめポイントです。
何度も読み返したくなるような楽しさが詰まった一冊です。
どんな物語を作ろうかな? 『あいうえおおかみ』
「あいうえおおかみ いちりんしゃにのる」
あつまれ みんな わいわい
いいかぜ そよそよふいて
うきうき いっぱい はしれ・・・
お話があいうえお作文になっていることに気づきましたか?
この絵本ではこのように、”あ、か、さ、た、な・・・”の順番に、楽しいお話が登場します。
五十音はもちろん、ガ行やパ行などのお話もあります。
ひらがなを覚えるのにぴったりな絵本ですね。
また、お話に合わせて描かれた楽しいイラストにも注目です。
これだけでも十分楽しいのですが、実はこのほかにもまだお楽しみ要素が隠されているのです!
お話のタネ
例えば、先ほどの”あ”のページ。
”あざみ”、”あげはちょう”、”いちょう”、”えがお”、”オランウータン”・・・など、お話を囲むように、「あいうえお」から始まる様々なイラストが描かれているのです。
そして、このイラストをみて、自分でオリジナルストーリーを考えるというのがこの絵本のお楽しみです。
ちなみに、本で紹介されている例はこちらです。
あざみにとまった あげはちょうのよこで
いちょうのはをのせた
えがおの オランウータンが・・・
絵を見るたびにお話が変わるかもしれませんね。
何度でも、いくつでもお話をつくって、ぜひ楽しんでくださいね。
つけたし言葉で楽しく遊ぼう 『ごめんそうめんひやそうめん』
大笑いしている少年に お店のおじさんが一言。
「おかし買ったら袋をやろう」
実はこれ、つけたし言葉です。
さて、何と何が引っかかっているか、分かりますか?
つけたし言葉とは、似たような言葉をならべてつないでいったり、関係のある言葉をつないでいったりする言葉遊びのことを言います。
この本では、このようなつけたし言葉が次々に登場します。
ある芸人さんが言っていた、「ラーメン つけめん ぼくイケメン!」というセリフ。
これもつけたし言葉です。
ちなみに先ほどの「おかし買ったら袋をやろう」の答え、わかりましたか?
正解は「おかしい」(おもしろい)に「お菓子」を引っかけているでした。
それぞれのつけたし言葉のページに描かれた楽しいイラストにも注目です。
お話のタネ
本を読んだら、自分でも作ってみましょう。
最初は少し難しいかもしれないので、親子でチャレンジしてみてください。
一緒に作って慣れてきたら、お互いに問題を出し合うのもいいですね。
何度か作っていると、きっと自然と身の回りのつけたし言葉を探したくなると思います。
そうやって遊ぶことが、言葉に興味をもつきっかけにつながりますよ。
すしおくんと一緒に修行しよう 『おすしですし!』
このお話の主人公は、すしおくん。
おすしやさんになりたくて、修行の旅に出ることにしました。
春は、お寿司がだじゃれになっている「だじゃれずじ」。
夏は、はじめの文字をつなげると魚の名前になっている「あいうえおすし」。
秋は、前から読んでも後ろから読んでも同じになっている「かいぶんずし」。
冬は、言葉が並べ変わってお寿司になっている「ならべかえずし」。
それぞれのお店で、お店の名前にぴったりな修行をします。
いったいどんなお寿司が登場するのでしょうか。
それぞれのお店で出てきたことばは・・・
だじゃれずし⇒めばるがいばる
あいうえおすし⇒あら わたしって びじんかしら
かいぶんずし⇒よいさんまがまんさいよ
ならべかえずし⇒にらがたば
それぞれどんなお寿司か、わかりましたか?
お話のタネ
この一冊の中に4つのことば遊びが出てくるので、お子さんも飽きることなく楽しめます。
絵本を読んで、すしおくんと一緒に修行の旅に出かけましょう。
これはお寿司がテーマのことばあそび絵本ですが、慣れてきたらお寿司以外のテーマで同じようにことばあそびをするのもいいですね。
果物、野菜、お菓子など、お子さんの身近にあるものをテーマにしてみましょう。
簡単なものから始めて、どんどんひらめく楽しさをたっぷり味わわせてあげてくださいね。
うえの動物園ではなく…⁉ 『したのどうぶつえん』
うえのどうぶつえんが大好きで、いつも通りやってきました。
・・・のはずが、電車を降りると、下に降りる階段を発見。
階段を下りていくと・・・そこにはしたのどうぶつえんが!
そこでは、乗り物か動物かわからないものがお出迎え。
「かばばす」、「くまくるま」、「とらとらっく」・・・など。
そう、この「したのどうぶつえん」には、少し変わった動物たちがいるのです。
この絵本には、なんとも不思議な動物たちがたくさん登場します。
例えば、象を見に行くと・・・
「ぞうきんぞう」、「ぞうさぎ」、「ぞうじき」など、さまざまな象がいるのです。
その他にも、「やさいさい」や「はいえなっぷる」、「ぺんきやぺんぎん」・・・など。
ユニークな動物たちがたくさん登場しますよ。
さて、ここで問題です!
表紙に描かれた2頭のゴリラ、それぞれいったい何という名前でしょう?
答えは絵本を読んでからのお楽しみ。
お話のタネ
この絵本を見ていると、自分でも楽しい動物を考えたくなります。
そこで、オリジナル動物園をつくってみてはいかがでしょうか。
絵本のように、動物の名前から考えるのはもちろん。
「食べ物広場」「文房具広場」など、身の回りにあるものから動物に結び付けて考えるのも楽しめそうですね。
動物の名前がひらめいたら、絵にかいてみましょう。
白紙や画用紙に絵を描いてホッチキスで留めれば、自作絵本の完成です!
言葉遊びも絵を描くことも楽しめる、すてきな時間になりそうですね。
まとめ
ことばあそびが楽しめる絵本を紹介しました。
読むだけでも楽しいのはもちろん、読み終わったころには「自分も作ってみたい!」という気持ちになれる本ばかりです。
こうやって遊びながらたくさんのことばにふれると、子どもたちも興味がわいて、すすんでことば探しができます。
とくに低学年のお子さんは、まだまだ知らないことばがたくさんあり、新しいことばにより興味をもちやすい時期です。
お子さんと一緒に、たくさんの言葉に囲まれながら、ことば遊びを楽しんでみませんか?
〇●今回紹介した本●〇
◆『あいうえおみせ』
<安野光雅 作・絵/福音館書店 刊>
◆『あいうえおおかみ』
<くどうなおこ 作/ほてはまたかし 絵/小峰書店 刊>
◆『おどろきもものき!つけたし言葉 ごめんそうめんひやそうめん』
<ながたみかこ 文/どいまき 絵/汐文社 刊>
◆『おすしですし!』
<林木林 作/田中六大 絵/あかね書房 刊>
◆『したのどうぶつえん』
<あきびんご 作/くもん出版 刊>
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