楽しいお話、悲しいお話、ワクワクするお話・・・
さまざまなストーリーが展開する絵本の世界。
そんな絵本の中に、字のない絵本があるって、知っていますか?
この記事で紹介する絵本には、字が一切出てきません。
絵だけで語られた絵本です。
どんな物語なのか、登場人物たちはどんなことを話しているのか・・・
親子でお話を想像しながら楽しめる絵本を、4冊紹介します。
このブログでは、元小学校教諭の私が考えた「本を読んだ後にこんなことをお話してみては?」という提案をお話のタネとして紹介しています。
お話のタネが芽を出して、親子の会話の花がたくさん咲きますように!
・小学生におすすめの、字のない絵本を探している
・子どもが想像をふくらませて読めるような絵本を探している
・親子でたくさんお話しながら絵本を読みたい
絵本紹介
うらがえしにしてみたら? 『インサイド アウトサイド』
題名の通り、物事の中と外、表と裏をあらわした絵本です。
鳥の卵の中と外
洞窟の中の中と外
潜水艦の中の中と外
・・・など、さまざまな物事の中と外の世界が描かれています。
作者はフランス人のアーティスト。
色鮮やかなイラストは、見ているだけでワクワクする気持ちが高まってきます。
お話のタネ
ページをめくるたびに
「これは何の内側なのかな?」
「この外側はどうなっているのかな?」
という想像が膨らみます。
中と外を見比べて物語を想像するもよし。
片面を隠して何が描かれているか想像するもよし。
楽しみ方もさまざまです。
あなたとお子さん次第で、絵本の楽しみ方も、そこに描かれた世界観も、どんどん広がります。
親子で一緒に、想像力を存分にふくらませて楽しんでくださいね。
ある雨の日のできごと 『かさ』
ある雨の日のこと。
赤い傘をさした女の子が、お父さんを迎えに行くことになりました。
その道中で、いったいどんなことが起きるのか?
女の子はどんな表情で、どんなことを考えているのか?
文字は一切出てきません。
色は墨色と赤色の2色だけ。
さぁ、あなたはどんな物語を想像しますか?
お話のタネ
字を使わずに描かれていることで、女の子のさまざまな思いが想像できます。
「お父さんを迎えに行く」という役目を任された、責任感。
駅に着くまでの景色や出来事を楽しむ、ワクワク感。
「もうすぐお父さんに会える」という、嬉しさ。
無事に迎えに行けたらほめてもらえるかな…という、期待。
中には女の子の表情が見えない場面もあります。
表情が見えないからこそ、さまざまな想像がふくらみますね。
ぜひ、お子さんと一緒に、女の子の思いをたくさん考えながら楽しんでください。
もしかしたら、絵本を開くたびに物語が変化するかもしれませんね。
『木のうた』
この絵本には題名のとおり、大きな木が出てきます。
その大きな木は動くことなく、ページを進めてもずっと同じ場所にあります。
でも、その木の葉や周りの様子が変化していくのです。
時の流れを感じ、四季折々の変化を感じることができる絵本です。
美しい色使いで表現されたイラストが、字のない物語の世界を楽しませてくれます。
お話のタネ
木の変化に注目するのはもちろん。
木の周りに登場する動物たちの変化にもぜひ注目してください。
「どうしてここにいるのかな?」
「何をしているのかな?」
たくさんお話しながら想像してみてください。
また、四季折々の変化とともに見せてくれる動物たちの様子の変化にも、理由があります。
絵本を通して、自然の移り変わりや動物たちの暮らしを知ることができるのも、この絵本のオススメポイントです。
一本の木を見つめる世界には、いったいどんな物語が広がっているのか?
親子でその世界観を楽しんでください。
『ジャーニー』
『ジャーニー 女の子とまほうのマーカー』
<アーロン・ベッカー 作/講談社 刊>
主人公の女の子は、ある一本のマーカーを手にします。
そのマーカーは、描いたものが実物に変化するという、不思議なものでした。
そのマーカーで描いた扉を開くと、新たな世界が待っていたのです。
絵本に描かれたイラストがとても細やかで美しいです。
見ている私たちも冒険しているような気持ちになれます。
文字がないからこそ楽しめる、冒険の世界。
あなたならどんな物語を描きますか?
お話のタネ
ワクワクする場面はもちろん。
「どうなっちゃうの?」とハラハラする場面もあります。
そんなとき、もしもあなたとお子さんが主人公なら、マーカーで何を描きますか?
そして、描いたものを使ってどんな物語を展開しますか?
たくさん想像して、お話してみてください。
実際にマーカーを手にして絵を描きながら楽しむと、より絵本の世界に入り込めるかもしれませんね。
この絵本はシリーズ化されていて、次回作に続く終わり方になっています。
続きが気になる方、もっと冒険したい方は、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
字のない絵本を紹介しました。
字のない絵本は想像をふくらませながら読むことができます。
お子さんはもちろん、大人が見ても、ハッとした発見があったり、癒されたり、楽しかったり…。
さまざまな思いをもちながら、絵本を楽しめます。
ぜひ手に取って、お子さんと一緒に、オリジナルストーリーをつくってみてください。
あなたとお子さんのそれぞれがストーリーをつくり、お互いに伝え合うのも楽しめそうですね。
また、字がないので「読書が苦手」「文字を追うのが苦手」というお子さんにもおすすめです。
お子さんとたくさんお話しながら、絵本の世界を楽しんでくださいね。
〇●今回紹介した本●〇
◆『インサイド アウトサイド』
<アンヌ=マルゴ・ラムシュタイン、マティアス・アレギ 作/ほるぷ出版 刊>
◆『かさ』
<太田 大八 作・絵/文研出版 刊>
◆『木のうた』
<イエラ・マリ作/ほるぷ出版 刊>
◆『ジャーニー 女の子とまほうのマーカー』
<アーロン・ベッカー 作/講談社 刊>
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