「動物をテーマにした絵本が読みたい」
「でも、たくさんあってどれを読めばいいか悩んでしまう」
そんな方におすすめの絵本を5冊紹介します。
楽しくて、驚いて、癒されて・・・
さまざまな顔を見せてくれる動物たちに注目です!
いったいどんな動物たちに出会えるかな?

このブログでは、元小学校教諭の私が考えた「本を読んだ後にこんなお話をしてみては?」という提案をお話のタネとして紹介しています。
お話のタネが芽を出して、親子の会話の花がたくさん咲きますように!
・動物たちのひみつがのぞける絵本を読みたい
・人気の動物のアッと驚く秘密が知れる本が読みたい
・ぬいぐるみの気持ちになれる、心温まる絵本が読みたい
・あっと驚く結末を迎える絵本を読みたい
・心優しい動物の絵本を読みたい
絵本紹介&お話のタネ
動物たちのひみつがいっぱい 『ひみつがあります』

<布川愛子 作/白泉社 刊>
この絵本には、8人の動物たちが登場します。
そして、それぞれの動物たちに ”ひみつ” があります。
どんなひみつか、少しのぞいてみましょう。
1人目は、きつねのハナさん。
ハナさんは、お花が大好きです。
そんなハナさんのひみつは・・・
”世界に一つの香水づくりをしているひみつ” です。
さて、いったいどんな香水づくりをしているのでしょうか?

カンガルーのタッシェ、ふたごのねこ・・・など、さまざまな動物たちが登場します。
そしてそれぞれの物語があり、ひみつがあります。
どんな動物が、どんなひみつをもっているのでしょうか?
この絵本、表紙を見てもわかるようにイラストがかわいいです。

それぞれのエピソードに登場する動物たちはもちろん。
着ている服や飾り物、花の鉢など、細かなところまで、色あざやかに描かれています。
動物たちのかわいいひみつ。
そして優しいイラスト。
大人が見ても癒される一冊です。
お話のタネ
お話は短編集のようになっていて、動物たち一人ひとりのお話は短いです。
また、漢字がまったく使われていないので、低学年のお子さんでも安心です。
読書が苦手というお子さんも、この絵本ならきっと楽しめます。
比較的文字が細かいので、本が苦手な中学年のお子さんの読書の入り口にもおすすめです。
お子さんが絵本を読み終えたら、どの動物のひみつが気になったか、たずねてみてください。
もしお子さんが一人読みをしていたなら、それがどんなひみつか、どんなところが気になったのかをお話してもらってください。
自分が読んだことを人に話すことで、その絵本のことがもっと好きになります。
そして、読書することがもっと好きになります。
また、絵本には描かれていない動物のひみつを自分で考えて楽しむというのもいいですね。
絵本の世界に入り込み、自分で想像して表現するということも楽しんでみましょう。
これを読めばパンダ博士⁉ 『パンダの手には、かくされたひみつがあった!』

<山本省三 文/喜多村武 絵/遠藤秀紀 監修/くもん出版 刊>
【写真引用:くもん出版】
私たち人間は、鉛筆やお箸など、さまざまなものを上手ににぎることができます。
でも、犬や猫はどうでしょう?
何かを「にぎる」ということは、日々当たり前のようにやっていることです。
しかし、手で物をにぎることができる動物は、とても少ないのです。
そして、パンダも物をにぎることができる動物です。
実はパンダが物をにぎれることは、とても不思議ですごいことだと知っていましたか?
なぜ不思議なことなのか?どこがすごいことなのか?
パンダのひみつを、あなたものぞいてみませんか?

子どもにも大人にも大人気なパンダ。
よく見る食事シーンにも、実は大きな秘密と発見があったのです。
パンダは、動物の種類で分けると、クマの仲間に入ります。

クマがエサの魚を取るときは、手をモリのようにして使います。
他の動物と戦うときは、手をふりおろして相手を倒します。
つまり、クマは物をにぎることができないのです。
同じ種類の仲間なのに、なぜパンダは物をにぎることができるのでしょう?
クマとパンダでは何が違うのでしょうか?
この絵本を読むと、その隠された秘密にじっくりと迫ることができます。
お話のタネ
私はこの絵本を読んで、「そうなの⁉」「知らなかった!」ということの連続でした。
大人が読んでも新たな発見が楽しめる絵本です。
この絵本を読んだら、実際にパンダの動く姿を見てみましょう。
今まで何気なく見ていたけれど、絵本を読むことできっと視点が変わります。
例えば先ほどの「にぎる」という動作。
絵本で学んだことをふまえてパンダの手を見てみると、「なるほど」「たしかに」ときっと感じることができます。
そうすることで、絵本で得た知識がより子どもたちに定着します。
絵本から知識を得る楽しみをたっぷり味わわせてあげてくださいね。
デパートにいるクマって? 『くまのコールテンくん』

<ドン=フリーマン 作/まつおかきょうこ 訳/偕成社 刊>
この絵本の主人公はぬいぐるみのクマ、コールテンくんです。
コールテンくんは、大きなデパートのおもちゃ売り場にいます。
「早く誰か来て、自分を連れて帰ってほしいなぁ」と、いつも夢見て待っていました。
そんなある日。一人の女の子が、コールテンくんの前に現れます。
そして「ずっと前からこんなクマがほしかったの!」と、お母さんに話します。
でも、お母さんは「つりひものボタンが一つ取れてるわ」と、女の子の手を引いて帰ってしまいました。
そのとき初めて自分のボタンが取れていることに気がついたコールテンくん。
夜になってお店が閉まってから、ボタンを探しに出かけるのですが・・・

ぬいぐるみの声が聞けるなんて、なんともかわいらしいお話ですよね。
ずっと売り場にいたコールテンくんが、初めてデパートの中を探検します。
初めてのものがいっぱいある中、息をはずませながらボタンを探すのですが・・・

はたして、コールテンくんは無事にボタンを見つけることができるのでしょうか?
そして、コールテンくんを連れて帰ってくれる人は現れるのでしょうか?
お話のタネ
ずっと売り場にいるコールテンくんの思いを聞くと、なんだか切なくて、コールテンくんが愛しく思えてきます。
お店に並んだぬいぐるみたちって、こんなことを考えながら、連れて帰ってくれる人を待ってるのでしょうね。
この絵本を読むと、お子さんも自分のぬいぐるみの声を聞いてみたくなるかもしれません。
もしお子さんのお気に入りのぬいぐるみがあれば、そのぬいぐるみの気持ちを想像してみてください。
そして、「きっとコールテンくんのように、〇〇ちゃんに会えるのを楽しみに、ずっと待っていたんだよ」とお話してあげてください。
きっと今まで以上に愛着がわき、大切にしてくれるでしょう。
そして、お父さん・お母さんも一緒に、子どものころに自分が大切にしていたぬいぐるみのことを思い出してみてください。
きっと懐かしい、あたたかい気持ちになれますよ。
一匹だけのはずだったのに・・・ 『100まんびきのねこ』

<ワンダ・ガアグ 文・絵/いしいももこ 訳/福音館書店 刊>
昔、あるところに、おじいさんとおばあさんが暮らしていました。
2人はとても幸せに・・・ではなかったのです。とても寂しかったのです。
おばあさんはおじいさんに、「ねこが一匹いたら・・・」と話します。
おじいさんはそれを聞いて、ねこを探しに出かけました。
長い間歩き、ついにたどり着いた場所は、ねこでいっぱいになっている丘でした。
おじいさんは、一番かわいいねこを連れて帰ろうと、一匹のねこを抱き上げました。
「あれ、このねこもかわいい!」
「おや、このねこもかわいい!」
そう言いながら、どんどんねこを抱き上げるおじいさん。
そうこうしているうちに、いつのまにかおじいさんが連れているねこの数は何万、何百万となり・・・

この絵本は、色は白黒のみ。
とてもシンプルですが、そこがまたお話に引き込まれるポイントでもあります。
そしてなんとも不思議な、ユニークなお話。

しかし、実は結末にはあっと驚く展開が待っているのです・・・!
さて、何百万匹ものねこたちを見たおばあさんは、いったいどんな反応だったのでしょうか?
そして、驚きの展開とは?
気になる方はぜひ絵本を手に取ってみてください。
お話のタネ
初めてこの絵本を読んだとき、私は「考えさせられる絵本だなぁ」と感じました。
「かわいいから」という理由だけで動物を連れて来たものの、どうしたものかと困ってしまう。
私たちの身の回りにもこういう話ってあるんじゃないかな、と思います。
その結果、ねこたちの身にどんなことが起こってしまうのか・・・?
ぜひお子さんと一緒に考えてみてください。
この絵本は、とらえ方によってはちょっと重めの内容に感じるかもしれません。
でも、楽しくもある絵本なので、明るく読んでもらえればと思います。
図書館が大好きな百獣の王 『としょかんライオン』

<ミシェル・ヌードセン 作/ケビン・ホークス 絵/福本 友美子 訳/岩崎書店 刊>
ある日、図書館に入ってきたのは、なんとライオンでした。
これには図書館員のマクビーさんもおおあわて。
けれど、館長のメリウェザーさんは違いました。
「そのライオンは、きまりをまもらないのですか?」
「そうでないのならそのままにしておくように」
とマクビーさんに伝えます。
ライオンは、騒いだり暴れたりすることはしません。
ゆっくり歩いたり、読み聞かせを聞いたりして過ごしています。
次の日も、その次の日も、ライオンは図書館に来ました。
子どもたちとふれあったり、メリウェザーさんのお手伝いをしたりして過ごしました。
そんなある日、ライオンの目の前である出来事が起きてしまうのです・・・!

心優しいライオンと、それを取り巻く人々の、心あたたまるお話。
そして、「決まりを守る」とはどういうことかを考えさせてくれる一冊です。

保育園や幼稚園、小学校に入ると、たくさんの決まりと出会います。
もちろん、町の中や家の中にも、たくさんの決まりがあります。
お話のタネ
小学校担任をしていたころ、授業で子どもたちにこんな質問をしたことがありました。
廊下で友だちがけがをしました。急いで先生を呼びに行かなければいけません。
あなたなら走っていきますか?歩いていきますか?
「廊下を走ってはいけない決まりがあるから、走らず急いで先生を呼びに行く」
「命に関わるかもしれないのだから、急いで走って先生を呼びに行く」
子どもたちの意見は半々でした。
「決まりを守らなければならないけれど・・・」という葛藤。
大人も子どもも、きっとこういう場面にでくわすことがあると思います。
決まりを守ることの大切さ。
そして、決まりよりも大切なこととは、いったい何なのか。
お子さんと一緒にじっくり考えてみてください。
まとめ
絵本の世界の動物たちを紹介しました。
かわいい動物、元気な動物、たくさんの動物、優しい動物・・・
あなたの好きな動物に出会えましたか?
動物たちが活躍する絵本はたくさんあります。
この機会に、お気に入りの一冊を探してみてはいかがですか?
〇●今回紹介した絵本●〇
◆『ひみつがあります』
<布川愛子 作/白泉社 刊>
◆『パンダの手には、かくされたひみつがあった!』
<山本省三 文/喜多村武 絵/遠藤秀紀 監修/くもん出版 刊>
◆『くまのコールテンくん』
<ドン=フリーマン 作/まつおかきょうこ 訳/偕成社 刊>
◆『100まんびきのねこ』
<ワンダ・ガアグ 文・絵/いしいももこ 訳/福音館書店 刊>
◆『としょかんライオン』
<ミシェル・ヌードセン 作/ケビン・ホークス 絵/福本 友美子 訳/岩崎書店 刊>
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